南条あや

だれも南条あやにはなれなくて。

 

美しい十代のうちにサヨウナラをした彼女は

 

永遠の偶像で アイコンで 女神で 天使

 

私は『卒業式まで死にません』を開くとき

 

最初の詩でいつも泣いてしまう。

 

母親が彼女の本を読んだとき 

 

「沈むはこの人の真似をしてるの?」と言った

 

そして沢山泣いたと言っていた。

 

もちろん私は彼女の真似はしていない。

 

私はリストカッターではないし、瀉血もしない。

 

私が欲するのはたくさんの錠剤。

 

ブロン金パブレスタミン

 

ああダメ、書いているだけで唾液が出る。

 

手のひらに錠剤を山盛りにして、それを一口で飲みこみたい。

 

南条あやは美しく死んだ

 

美しく、美しく、「メンヘラ」を全うした。